暑い日に運動すると心拍数が上がるのはなぜ?夏の運動強度の考え方

暑い日に、いつもと同じペースで走ったり歩いたりしているのに、心拍数だけが高くなることがあります。
「暑いから当然」といえばそうなのですが、身体の中では何が起きているのでしょうか。
筋肉と皮膚の両方に血液が必要になる
運動中は、酸素や栄養を届けるために筋肉へ多くの血液を送ります。
しかし暑い環境では、体内にたまった熱を逃がすため、皮膚にも血液を送らなければなりません。
筋肉を動かしながら、同時に身体も冷やす必要があるわけです。
さらに汗をかいて体内の水分が減ると、血液量も維持しにくくなります。すると、心臓が1回の拍動で送り出せる血液量が低下し、その不足を補うために心拍数が上がっていきます。
一定のペースで運動を続けているのに、時間の経過とともに心拍数が上がる現象は「心血管ドリフト」と呼ばれます。
研究でも、高温環境では涼しい環境より心拍数の上昇と一回拍出量の低下が大きくなり、同じ運動でも身体にとっての相対的な強度が高くなることが示されています。
つまり、ペースが同じだからといって、負荷まで同じとは限りません。
夏はペースより身体の反応を見る
普段と同じ速度を維持しようとすると、暑い日には想定以上に強い運動になってしまうことがあります。
特に有酸素運動では、
- 心拍数が普段より高くないか
- 呼吸が乱れすぎていないか
- 会話できる程度の余裕があるか
- めまい、頭痛、吐き気がないか
といった身体の反応を確認することが大切です。
心拍数を基準に運動している場合は、普段と同じ心拍数に収まるよう、速度や負荷を下げても構いません。
ペースが落ちても、運動の効果がなくなるわけではありません。身体から見れば、暑さへの対応を含めて十分な負荷がかかっています。
水分だけでなく環境も調整する
発汗量が多い日は、運動前後の水分補給も重要です。
ただし、水分を飲めば暑さの影響がすべて消えるわけではありません。
気温や湿度が高い日は、涼しい時間帯を選ぶ、運動時間を短くする、日陰や屋内を利用するなど、環境そのものを調整する必要があります。
夏の運動では、普段通りの数字を出すことよりも、その日の条件に合わせて負荷を調整することが大切です。
同じペースを守るのではなく、身体にとって適切な強度を守る。
暑い季節も安全に運動を続けるために、心拍数や体調を一つの目安として活用してみてください。
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